槙野・東條シリーズ最新作 人は多面性を持つ さながら阿修羅のごとく
3月7日頃発売予定
四面の阿修羅
吉田恭教【著】
四六判上製 352ページ
定価1,980円(本体1,800円+税)
内容見本はこちらから(別ウインドウが開きます)
島田荘司・二階堂黎人監修
本格ミステリー・ワールド・スペシャル
晴海ふ頭近くの空き地で男性のバラバラ死体が発見され、捜査一課の長谷川班が捜査に乗り出す。司法解剖の結果、遺体の傷すべてに生活反応が認められ、被害者が生きたまま四肢と首を切断されたことが判明。しかも、頭部には「生ゴミ」の貼り紙まであり、長谷川班のエース・東條有紀は、事件の猟奇性の裏にある動機を探る。しかし……。
吉田恭教(よしだ・やすのり)
佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血 公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『MEMORY――螺旋の記憶』(南雲堂)など。
吉田作品は現代を象徴するような何かを焦点化することはほとんどない。「人情」や人との「縁」による犯罪捜査など昔から連綿と続くものが事件解決の重要な要素になっている。テクノロジー全盛の時代において、これはいささか古く感じてしまう部分もあるかもしれない。だが、よく眼を凝らしてみると、それこそ「今」を反映している部分が色濃くあり、それが本書の〈奇想〉たる側面を際立たせているのである。(解説より:藤井義允)
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