東日本大震災後文学論
東日本大震災後文学論 3月10日発売予定
限界研 編 飯田一史/杉田俊介/藤井義允/藤田直哉 編著 海老原豊/蔓葉信博/冨塚亮平/西貝怜/宮本道人/渡邉大輔 著
四六判上製 640ページ
本体2,900円
「震災後」は終わっていない。いまだつづいている。 3・11がもたらした 傷、抑圧、混乱、失望 創作者は物語を用いて 希望を再稼働させる!!
3・11以降、おびただしい数の「震災後文学」が書かれた。故郷と肉親・友人・知人の喪失、原発問題、放射線による生物の変容、被災地と非・被災地の温度差、東北と東京の温度差、政権への批判、真偽不明の情報と感情の洪水としてのSNS、記憶や時間感覚の混乱、死者との対話、「書けない自分」「無力な自分」へのフォーカス、復旧・復興、言論統制や自主規制、ディストピア化した日本、テロやデモや群衆蜂起、戦争文学との接続……さまざまな作品、さまざまなテーマがうまれた。3・11以降にうみだされた「震災後文学」を扱う渾身の評論集。
コンテンツ
- 序論 はじめに(飯田一史)
第一章 震災後文学の超臨界
- 同時代としての震災後(藤田直哉)
- 希望—重松清と『シン・ゴジラ』(飯田一史)
- 喪失なき成熟—坂口恭平・村田沙耶香・D.W.ウィニコット(冨塚亮平)
- 揺れる世界と存在—震災後としての中村文則文学(藤井義允)
第二章 科学と文学の(dis)コミュニケーション
- 情報の津波をサーフィンする—3・11以後のサイエンスなフィクション (海老原豊)
- 震災後文学としての『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ—科学技術コミュニケーションにおけるリスク・個人・希望をめぐって(西貝怜)
- 対震災実用文学論—東日本大震災において文学はどう使われたか(宮本道人)
第三章 イメージの核分裂
- 島田荘司と社会派エンターテインメント (蔓葉信博)
- 映像メディアと「ポスト震災的」世界—キャメラアイの「多視点的転回」を中心に(渡邉大輔)
第四章 震災後を生きる君たちへ more than human
- 〈生〉よりも悪い運命(藤田直哉)
- 高橋源一郎論—銀河系文学の彼方に(杉田俊介)
- 震災後作品出版・公開年度一覧
東日本大震災後文学論
東日本大震災後文学論
限界研, 飯田一史, 杉田俊介, 藤井義允
(単行本 - Mar 10, 2017)
¥ 3,132